株式会社を理解するために

[株式会社の誕生]人類史上ずっとなかった組織形態

株式会社の凄さ

人類史上でもやばい発明
なぜか?

  • 大量の人間が
  • 自由な目的をそれぞれが勝手に設定して
  • リスクを分散させた状態で
  • 一つのプロジェクト・事業に向かって
  • 生産性を高めた状態で
  • リソースを集中させることができる組織を持った
  • これは、人類史上ずっとなかった組織形態

株式会社以外の組織とは

  • 行政
  • 政府
  • 政党
  • 宗教団体
  • 領地
  • 荘園

自分で全部リスクを負う仕組みは、生産性への投資はしにくい

 リスク分散できるようになって、失敗しても死ななくて良くなった
  それは株式会社だから
   オランダ東インド会社以降
    9世紀のヨーロッパ:航海ごとのプロジェクトベースで出資を募る

株式会社の特徴


1
リスクが分散できる

 創業者:個人借金と法人借金は別
  個人保証入るからひきづられるが
 出資者:出資額以上のお金を請求されることはない
  有限責任:出資額以上のお金を払わないこと(Limited)
   最初は無責任だと言われた
    経営者と出資者が別という概念。所有していない社長が頑張るわけない

2
責任と権力をうまく分散させた

多くの人間を、一つの目的に対して集中支えることができる
 お金が集めやすいルールになっている

3
生産性へ圧倒的に機能する

生産性に投資するという概念は、株式会社の誕生以降じゃないと生まれなかった
人間は生産性をあげようなんで思いもよらない
 株式会社のように、競争社会を作って、リスクを分散させて、一つの目的に集中させない限り
  生産性に集中できるようになったのは極々最近のこと
   それによって資本主義ができた

4
事業継承ができる

 出資者が任命する権利を持っている
  組織に事業継承させることができた
   富と知の蓄積ができるようになった
   ゼロから始めなくて良くなった



株式会社が形作られる歴史


オランダ
オランダ東インド会社

オランダ東インド会社:植民地経営をしていた
植民地:インド、アメリカ大陸
 その場所で、鉱山を採掘し、綿を作る

経営の内容:統治し奴隷化すること


最初の株式会社

なんでもやり放題
 軍隊を持っている
 敵国の船を潰す
 略奪する
 奴隷を売り買いする
 南アメリカの原住民を殺す

プロジェクトベースで出資と経営が行われる -偶発的に出資と経営の分離が起こる-

 経営(大航海)はめちゃくちゃリスクが高い
  大航海時代。14ヶ月間。1/3死ぬ。半数死ぬ
 だが、出資するとめちゃくちゃ儲かる
  投資する人と航海する人が別れる
   偶発的に出資と経営の分離が起こる
 植民地経営に対して良い、という流れが生まれる
   最初は、組織というより、プロジェクトとして生まれる

組織ベースで出資と経営が行われる

プロジェクトベースでなくなったのが、東インド会社
 すごい転換
  組織ベースで株を持ち、出資
   株を持って出資した人:いつ儲かるのか?
    ここから株式の売買が始まる

証券取引所の誕生

株式を売買する場所が必要なので、証券取引所が生まれる(アムステルダム)
 東インド会社、儲かっている
  価値があるという認識が生まれる
   欲しい人がたくさん現れる
    その人たちに売って良い、となっていく
     チューリップバブルが起こる

権力を持ちすぎた株式会社は国から批判される

株式会社への批判が生まれ、いったん株式会社はなりを潜める
権力を持ちすぎと国から批判される
バブルをうみ、経済が混乱する
 一回なりをひそめる
  大きな仕事は国が引き受ける
  パートナシップ制

アメリカ
アメリカという国が生まれる

アメリカのインフラを整備したのは会社。国ではない
 大学、銀行、運河、教会、市役所、道路
  政府が弱いから
  治安が悪かった。例:カウボーイ

鉄道技術の発明

 物流、情報伝達にも使える
  お金いる→株式会社で作ろう、となる
   法律で規制されていたのだが、柔らかくなる
    鉄道がどんどんできる
     他の国も規制緩和する

イギリス
1856年。株式会社法

 好きな目的株式会社を作っていいよ、となる
  ここから一気に株式会社が増える。25,000社くらい
   資本主義の勃興と重なる
    イギリスに資本主義が生まれる

ヨーロッパ・アメリカ
徐々に株式会社の仕組みが準備される

徐々に株式会社の仕組みが準備される

そして通信技術が生まれる

会社を所有していない社長が鉄道会社の中から生まれる
管理会計の技術が生まれる
財務諸表をとる慣習が生まれる
会計システム
証券市場の活発化
 ニューヨーク取引所
  世界恐慌が起こる

次は流通小売業が成長する

通信販売できるようになる
 2週間後に届く
  市場が大きくなり、チェーン店、百貨店が生まれる。同ブランドを保つことができるようになる

また製造業が成長する

フォード:ベルトコンベアによる大量生産。効率化
 タバコ、マッチ、フィルム、カメラ、食品製造
ラジオ:宣伝も一斉にできる
流通:一斉にできる
販売:一斉にできる
生産:大量にできる
 全部揃って、資本主義が加速する
職種が生まれ、分業され、ビジネスパーソンの原型が生まれる
 資産運用マネジメント、販売、マネジメント

アメリカ
ついに生産性向上に対する投資概念が誕生。アメリカがイギリスを抜いて世界一に

 この時代はまだ、需要飽和状態ではないので、改良すればするほど売れる
 金融会社:JPモルガン
  アメリカがイギリスを抜いて世界一になる

中国・ロシア
マルクスが登場し、社会主義思想が生まれる

株式会社が司っている労働者問題が生まれ、マルクスが登場する
 中国、ロシアが採用した社会主義思想につながる



産業革命時に長時間労働が問題になっていた

1日で働く時間を決めた
イギリス人実業家:ロバート・オウエン

法人は人間とほぼ同じ権利を持っている

会社は権利も保証されている
口座を作る権利
法人格という権利
分離できていることが株式会社という組織形態の強み

出典・参考