日本語におけるイメージから会話までの4つの言語化プロセス
日本語話者があることをイメージしてから、会話や文章としてアウトプットするまで、以下の4つの言語化プロセスが同時に存在しています。
- 漢字熟語
- イメージ⇄漢字⇄音語(漢語:政治言語)⇄会話/文章
- 平仮名熟語
- イメージ⇄漢字⇄訓語(和語:私的言語)⇄会話/文章
- 漢字翻訳された英語
- イメージ⇄英語(経済/新技術言語)⇄音語(漢語)⇄会話/文章
- 片仮名翻訳された英語
- イメージ⇄英語(経済/新技術言語)⇄片仮名(和語)⇄会話/文章
日本語話者は4つの言語化プロセスを無意識的に選択している
上記の4つの言語化プロセスが同時存在している状態は、以下の態度を導きます。
- 日本語は4つの言語を含んでいる
- 漢字熟語
- 平仮名熟語
- 漢字翻訳された英語
- 片仮名翻訳された英語
- そして、日本語話者はイメージが生まれたあと、4つの言語のどれかを選択している
- だが、日本語話者はその4つの言語化プロセスを、無意識的に選択している
- 経験則として
- 反射的に
- 肉体反射として
結果、私たちは、
- 日常的に、4つの言語をフラットに取り扱っているのです。
現代日本語の課題
そして、現代日本語の課題としては、「視覚的/音声的側面の高い日本語の7つの文体」という特徴で立ち止まらず、以下の思考を個々人の中で行っていくことが大切になってくるはずです。
- 自分の言葉で定義する
- 語彙を自分の言葉で定義する
- 倫理観の言語化
- 自分が普段使用する語彙とイメージによる倫理観を言語化する
- ※倫理=「何をしてはいけないか」について答えること
- 自分が普段使用する語彙とイメージによる倫理観を言語化する
- 思想の探究
- 個人の倫理に基づいた思想の探究
- 思想の育成
- 思想/世界観の育成(自分との対話)
- 思想の公開
- 自分の思想を公開し、社会化する
参考書籍
タイトル:日本語とはどういう言語か
2006年1月10日初版発行
発行所:中央公論新社
著者:石川九楊