信頼関係の発生プロセス
信頼関係の発生プロセスは、以下の通りです。
- 販売員が「エネルギーと方向性」を発生させる
- お客様が、販売員の「エネルギーと方向性」を感知する
「エネルギーと方向性」を具体的に定義すると、
- エネルギー=会話のテーマ
- 方向性=購入ストーリーを構成化(ファーストアプローチ、セカンドアプローチ、商品説明、クロージング)
です。販売員は「会話のテーマ」を選択し、「購入ストーリーを構成化」しています。彼らは、自覚無自覚の差はあっても、常に自分の「エネルギー」と「方向性」をマネジメントしています。
つまり販売員は、つねに会話のテーマを複数ストック・マネジメントし、自分オリジナルの強度のある購入ストーリーを構成化し続ける必要があるのです。
知らない他者から急に販売されることで生まれるネガティブな感情
私達は購入者の立場として「販売者:購入者」という対立構造の中で、ネガティブな経験をしてきました。それによって人は反射的に「知らない他者から急に販売を前提としたアプローチをされること」を恒常的に嫌うようになっています。結果、以下のようなネガティブな感情を表現するようになりました。
- 無関心
- 無視
- 怯え
- 不信
- 不安
- 苛立ち
始まりからネガティブスタートの「対面式接客販売」において、上記の感情が前提になることがほとんどです。その環境で、販売員はどのように信頼関係への道を構築していくのでしょうか。
信頼関係を作るために「人間としての自分」を表現する
信頼関係を作るためには、商品や、販売員としての役割以前に「人間としての自分」を表現することが必要な要素です。
そのために販売員は
- 自分が所属する組織に対する自然な好意
- 商品が実現する理想世界への情熱
- 自分との思想の一致
の3つが重なる領域に自分を発見する必要があります。
それは、嘘がつけない領域です。
「自分自身への偽り」は、ファーストアプローチの0.3秒以内に他者に伝わる
「自分自身への偽り」は、ファーストアプローチの0.3秒以内に他者に伝わります。
そして「一度表現された偽り」を消すことはできず、接客の終わりまで影響を与えます。
発話の3つの基本姿勢で、信頼関係構築の段階的なプロセスを重ねる
ここまできて初めて、発話の3つの基本姿勢に到着します。
- まず、自分の素直な気持ちを伝える
- 商品を媒介としない状態での、人から人への思いやりの気持ち
- 「なにひとつ購入に関するアクションを期待していないこと」を伝える
- 再び、自分の素直な気持ちを伝える
信頼は最上級の関係性です。
その場所にいたるまで「段階的なプロセス」を少しづつ着実に重ねることが大切です。