この記事は、さまざまな状況におられる記事制作者が、一人でも多く、現場の混乱を整理し、「記事作成の運用方針」を明確に定義し、良い記事作成の体制を継続できるようになること、を想定し、必要な情報を網羅的に書きました。
主な内容は、
- 記事作成の運用と環境の組織的課題
- 記事の質の定義
- 競争から離れるための「独自の基準=質の高さ」設定方法
- 「質の高い記事」を継続的に作成する20ステップ
- 記事作成の継続的運用体制
- 記事作成と運用を助ける環境・ツール21選
- 記事作成の費用対効果計算式
- 利益が出るまでの長期計画
です。
そして、読み終わった後に、下記の作業ができるように作っています。
- 記事作成の全体像理解
- 記事作成のメリットとデメリット理解
- 記事作成の費用対効果と運用上の判断基準を得る
- 決裁者へのアプローチ:記事作成の費用対効果と判断基準を提示できる
- 自分で記事の構成案を作る
- 自分で記事を書く
- 自分で記事制作を継続する
- 自分で作った構成案をもとに記事作成を外注する
継続的な記事投稿は「記事の内製化戦略」に依存し、その戦略は「決裁者の理解度と決意」に依存します。
つまり記事制作者/運営者の立場にいる方々は、最初の段階で「決裁者」へ対して「適切な理解」と「適切な判断基準」を提供することがとても大切になってきます。
また、制作者の立場からすると、「記事作成の全体像」と「具体的手順」が分かれば、不安も緩和され、関係者に対して論理的な説明もできます。
重要度と緊急性の度合いを理解し、関係者に説明できれば、日々の隙間時間に記事の要素を積み上げていくことも可能です。
島津 共範
私は現職で、旅行サイトの案件で「取材(構成案・撮影)×2回/月」→「4000文字/本×4本/月」のSEOライティングを1年以上継続して投稿。ロングテールキーワードで検索1位を狙う戦略を実践。SNS運用、WEB広告も手掛けています。
2020年から、Webマーケティングの長期施策の提案と運用の担当に。2021年は「広義のマーケティング理解」を土台とした提案営業も視野に入れ、地道なヒアリングと分析をもとに日々、提案と運用を行っています。
記事作成の運用と環境の悩み:1人で全て判断、作成、評価、改善しなくてはならないこと
働く個人がSEO記事を制作する場合。
課題の本質は「決裁における判断基準の適切性、工数管理、記事作成、効果測定の実務、をどのように1人で開始し、継続していくか?」です。
仕事柄、Web担当のお客さまから「Webサイトにコンテンツ(記事)を書かないと…」という声を聞く機会が増えてきました。お話をまとめると、記事作成の「運用」と「環境」について、以下の潜在的な悩みがあることが分かってきました。
「運用」の悩み
- 誰が書く?:誰に書いてもらったらいいか分からない
- どうやって書く?:具体的な方法が分からない
- 評価は?:具体的な評価基準が分からない
- 効果は?:どのような効果があるのかイメージできない
- コストは?:どれくらいの期間で成果が出るか知りたい
「環境」の悩み
- Web担当者は1名
- Web担当者は専属ではない。ほかの業務と兼任(そして、ほかの業務の方がメイン)
- Web担当者と決裁者が同一人物(最も貴重な「時間」というリソースが必要)
この状況は結果的に、以下の制作状況を生み出すことを意味します。
困難な制作状況
- プロジェクトが始まる前に、自分自身に対して「具体的な成果指標」を提示できない
- よって、非現実的な数値目標が掲げられる危険性がある。あるいは数値目標の不在
つまり、「記事作成を継続して成果を出す」という目標を達成するには
- 全体性のあるSEO記事戦略
- 中長期的な時間の確保
が大切になってきます。
では、だれが記事を書くのが適切でしょう?
誰が記事を書く?「業界」「顧客」「商材」「自社事業」を理解する人
手間のかかるイメージの記事作成。誰に書いてもらうのがよいのでしょう?外注でも効果は出るのでしょうか?
結論から言うと、以下10の要素をより多く備えている人物(おそらくあなた本人)が記事を書くと精度の高い記事をつくることができます。なぜなら「知見」「セールス」「属人性」の点から、あなたは誰よりもオリジナルだからです。
知見の要素
・業界の理解
・自社事業の理解
・顧客の理解
・自社の商材理解
セールスの要素
・営業の経験
・接客販売の経験
・セールスライティングの経験
属人的な要素
・論理的な思考
・文章表現
・商材への熱意
知見的には「業界」「自社事業」「顧客」「商材」の理解がある人物が適任です。なぜなら、記事作成の順序は、まず質を確保してから量を作ることだからです。顧客の悩みに対する適切な答えを返すことができる人物。
また属人的には「論理的な思考」「文章表現」、そして「商材への熱意」がある人物です。
営業や販売の経験がある方は「人が物を買う心理と構造」を体感で知っているため、それを有効に活用できます(私はWeb業界に入る前は接客販売業に携わっていました。購買心理に関する経験は非常に役に立っています)。
島津 共範
もう少し具体的にまとめます。
記事作成に向いている人物の「知見、セールス」条件
- 一定以上の業界理解がある(業界分析)
- 作業を兼任できるほど事業に精通し、部内で信頼されている(事業分析)
- 顧客心理をよく理解している。営業経験がある(顧客分析)
- 自社商材を熟知している(商材分析)
- 接客販売の経験がある
- 営業の経験がある
記事作成に向いている人物の「属人的」条件
- 物事を順序立てて分かりやすく説明することが好き
- 文章による自己表現への適度な慣れ
- 自社商材への理解と熱意
こうやってリストアップすると
・社長
・個人自業主
・事業部長
による記事作成が、最も効果が高い可能性があります。
なぜなら、前述した3つの役職の人物は、事業間(部署間)を横断した業務に携わり、上記の複数の条件を満たしている可能性が非常に高いからです。
でも、該当する方々は、総じて社内業務を掛け持ちしており、緊急度と重要度が高い業務を担っています。
どのように「限られた時間で質の高い記事を書くこと」ができるでしょう?
限られた時間で質の高い記事を書く順序
限られた時間で質の高い記事を書くには、以下の3つの順番をたどります。
- 知る:質の高い記事を書く方法、記事の種類、成果指標の選び方と設定方法
- 作る:限られた時間で記事作成を行う方法と実践
- 継続する:継続的に質の高い記事制作し、効率化させる仕組み
質の低い記事を100個作成しても、集客効果はないからです。
では「質の高い記事」とは何なのでしょう?
記事作成における「質」とは?
記事作成における「質」とは何か?
これを中学生にも分かるように説明すると、個人的には以下のように言うでしょう。
1.検索者の悩みを的確に理解していること
2.悩みに対して適切に回答していること
→適切な回答とは…
・全体像の説明(関係性、判断基準、優先順位)
・適切な詳しさ(文字数、画像、図解、表、動画、クチコミ)
・分かりやすさ
・信頼できる(記事を作った人の実績がある)
・適切な解決手段を選べる
そして、Googleはこう言っています。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。
2019年以降の購買行動理解:パルス消費とバタフライサーキット
2019年、Googleは「パルス消費」と「バタフライサーキット」という購買行動に関する調査結果を公開しました。
お客様の行動をイメージするためにとても有益な記事です。
割とボリュームがあるので、お時間がありましたらご覧ください。私はこの記事を読んで、現在の「SNSやサイト内記事の役割」を具体的/正確にイメージできるようになりました。
- パルス消費:現在、人々は24時間、常に検索行動を行っており、一瞬で瞬間的に購買に至る
- バタフライサーキット:24時間の検索行動は「さぐる」「かためる」という行動を繰り返し、購買に至る
下記5つの記事で「瞬発的になってきた購買行動:パルス消費」について解説しています。
Think with Google:買いたくなるを引き出すために パルス消費を捉えるヒント
下記6つの記事で「検索行動の法則:バタフライサーキット」について解説しています。
Think with Google:パルス消費につながる情報探索とは? バタフライ・サーキットと 8 つの動機
コロナ禍以降、ついに日本でも急速に購買プロセスのオンライン化が進み、購買行動のインフラが大きく重心を移動しています。
「消費者の購買行動と購買心理を具体的にイメージする想像力」
これが最も重要で最も緊急だと個人的には思います。
島津 共範
Googleが掲げる「4つの検索意図」と「EAT(専門性、権威性、信頼性)」
自社独自の3つの定義(「質」と「量」と「継続性」)を行うために参考になる指標が、2018年にGoogleが公表した「4つの検索意図」と「EAT」です。
- 4つの検索意図:Know(知る)、Do(する)、Go(行く)、Buy(購入する)
- EAT:専門性、権威性、信頼性
記事を独自にする以前に、「検索しているお客様の悩みに応える構造」にするために必要な要素といえます。この「4つの検索意図」と「EAT」を記事の中に組み込むことで、客観的な信頼性を与えることができます。
4つの検索意図
Googleが掲げるEAT
・専門性 Expertize
・権威性 Authiritativeness
・信頼性 Trustworthiness
※こちらは2018年googleが公開した指標
例えば「これは参考になったなあ」という記事を上記7つの要素で分解してみてください。さらに深く記事の構成を読み込むことができるようになります。
「独自の質」と「独自情報(一次情報)」を定義して、競争から離れる
可能であれば、記事を作成する前に、「独自の質」と「独自情報(一次情報)」について記事作成の運用チーム内で話し合い、言語化しておきます。そのメリットは2つ。
独自の質の言語化
・「成果指標」の言語化
→決裁権周りに起こりうる「安直な成果主義」の予防
→記事制作者の心理的安全性の確保
独自情報(一次情報)の言語化
・「自分たちがからこそ提供できる情報、体験」のコンセプトと内容を言語化
→課題への仮説としての回答(オリジナルコンテンツ)を定常的に制作することができる
→仮説としての回答(オリジナルコンテンツ)の精度を高めることができる
課題解決仮説としての回答(オリジナルコンテンツ)の精度を高めることができれば、それはそのまま、お客様の解決策に直結します。最新の課題解決仮説を記事にすることで、記事そのものを市場におろす感覚で公開する。それは、自社独自サービスのプロトタイプの一環として記事作成と公開を利用することにもつながります。
質の定義
- ターゲットの悩みの定義
- テーマの選出方法
- キーワード選び
- 画像/図解の数
- 独自体験(一次情報)
- コンバージョン設定
量の定義
- ひと月の投稿頻度
- 投稿の長期計画
継続性の定義
効果的なKPI設定は以下の通りです。
記事を公開した後の「決裁者との認識のずれ」を修正しやすかったり、適切な効果測定を行う準備です。
- 1~2年は継続する意思が決裁者にあるか
- 長期的予算(工数)の算出と検討
- 記事作成で期待できること/できないことの共通認識
- 現実的な制作体制の修正力
- 記事作成の体制を運用するディレクターの確保(自分)
- 記事を作る人物の確保(自分)
SEOの定義とは?
Googleは、下記サイトのトップページのファーストビューにて、以下のように言っています。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。
引用元:Googleについて
SEOの定義
SEOの定義を分かりやすく言うと「Googleの検索エンジンへあなたの記事を最適化させること」。そしてGoogleは「ユーザーの検索意図と検索感情」をもとに記事を評価する仕組みを作っています。
SEO=SEO stands for Search Engine Optimization, which is the practice of increasing the quantity and quality of traffic to your website through organic search engine results.
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、オーガニック検索エンジンの検索結果を利用して、あなたのウェブサイトへのトラフィックの量と質を向上させることです。
引用元:What is SEO?
検索順位1位はどれくらいクリックされる?1位でも約20~30%
では、例えば仮に「あなたが書いた記事が特定キーワードの検索順位で1位になった場合」その記事は何パーセントクリックされるのでしょうか?アメリカのSISTRIXが公開した記事では2020年7月の時点でこう言っています。
Google検索のクリック率調査(2020年)
1位:28.5%
2位:15.7%
3位:11.0%
4位:8.0%
5位:7.2%
6位:5.1%
7位:4.0%
8位:3.2%
9位:2.8%
10位:2.5%
引用元:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid
例えば「月間検索数が1000回のキーワードで1位になった場合」その記事は「月に285回クリック」され、クリックした人はあなたが書いた記事へ移動します。
「1000回/月間検索数のキーワード」の各順位のクリック数
1位→285回クリック/月
2位→157回クリック/月
3位→110回クリック/月
4位→80回クリック/月
5位→72回クリック/月
6位→51回クリック/月
7位→40回クリック/月
8位→32回クリック/月
9位→28回クリック/月
10位→25回クリック/月
※1%=10クリック
この通りに計算すると「ひと月で100クリックされる記事」が100個あって初めて「記事のみで10,000pv以上/月」が達成されることになります。
月間検索数が3,000回や10,000回のキーワードを選べば「1位になったときの想定クリック数」は増加します。ですが、それは同時に「難易度の高い試み」でもあります。なぜなら、上位1~30位の記事は、潤沢なリソースののもと企業が投資して制作した記事や、非常に優秀な個人が制作した記事の可能性が非常に高いからです。
彼らを競争相手として選ぶことは得策でしょうか?
記事の3つの種類と段階的コンバージョンの設定
記事作成を続けていると「記事はまず100本書いてから」という表現をよく目にするようになります。これは、記事の種類を分けて制作していない場合、非常にリスクの高い目標に変わります。
なぜなら、お客様の心理段階は
- 潜在層:課題の発見。情報の体系化。勉強期間
- 検討層:課題解決策の比較。判断基準の確立。比較検討期間
- 顕在層:課題解決策の選択。決裁者による「予算/タイミング/優先順位」の決定。選択/行動期間
に分けられるからです。
それぞれの段階に対応する記事は、大きく3種類に分けられます。
そして、3種類の記事に合わせて「制作者側が設置するコンバージョン(目的)」も変えることがとても大切です。いわゆる「段階的コンバージョンの設定」です。各層のお客様の悩み水準に合わせた「適切で段階的なコンバージョン」を設置します。
目的は以下の2つ。
- 「需給間の情報ミスマッチ」をできるだけ避けること
- 各段階での適切な「課題解決に対する回答行動」を提示すること
初めてあなたのサイトに訪れた「まだ課題が明確になっていない潜在的顧客」に対して、いきなり「特化した専門的な商材を高額で提示」する、というようなズレをあなたのサイトで起こさないように。
記事の3つの種類:集客記事、課題教育記事、コンバージョン記事
集客記事:潜在層へ向けた集客と認知を目的とする
対象ターゲット:潜在層
記事の種類:集客記事
目的:集客と認知。知らなかった課題の提示。課題の一般的知識、ノウハウ、悩みの言語化。課題の体系的な説明。
コンバージョン:資料ダウンロード(無料)、資料請求(メールリスト)、サービス資料
課題教育記事:検討層へ向けて比較による課題解決を促す
対象ターゲット:検討層
記事の種類:課題教育記事(比較記事)
目的:課題に対する効果的な解決策の提供。自社サービスのメリットを明示しつつ、継続的な関係性を築く
コンバージョン:事例集、料金表、ガイドブック、ノウハウ資料、チェックシート、レポート、カタログ、図面
コンバージョン記事:顕在層へ向けた単一ページ完結型で行動喚起を促す
対象ターゲット:顕在層
記事の種類:コンバージョン記事(単一ページ完結型のLP記事)
目的:ストーリーライティングで価値を訴求し、ひとつのページ内で行動喚起を促す
コンバージョン:メルマガ登録、セミナー・イベント、お問い合わせ、オンライン相談、無料相談会、見積り、限定商品購入、商談、購入
3種類それぞれの目的に応じて
- 記事の題材(一般知識の網羅型、サービス比較型、自社商材特化型)を変え
- サイト内の動線を階層化させる
ことが大切です。
記事の種類を適切に使い分け、目的を分類し、それぞれの目標数値を測ること。そうすることで「種類の違う記事を単一の目標数値で測る危険性」を回避できます。
記事のテーマは?:お客様の質問から見つける
最近「お客様から相談されたこと」「質問されたこと」は何ですか?
そこから記事のテーマを作ることができます。
つまり
お客様の悩み=記事の題材+記事のタイトル
あなたの回答=記事の見出し+記事の内容
という構図です。
お仕事として「営業担当者」や「顧客対応」をされている方々は、「日々、現場で、根拠をもとにした即興性の高い記事を作っている」と言い換えることもできます。
「お客さまの悩み=価値の源泉」という視点です。
質の高い記事の構成は?:「顧客の悩み」「結論」「結論の根拠」「根拠の具体例」
結論から言うと、4つの要素を押さえて、芯のある記事を書き進めます。
記事の構成
- 顧客の悩み
- 結論
- 結論の根拠
- 根拠の具体例
- 再び結論→クロージング
自分のセールストークを振り返ると、お客さまの質問に対して「上記の要素を使って話している」ことに気がつくでしょう。例えば、音声レコーダーで「自分の答え」を録音するとよく分かります。音声を文字起こしする方法や、インタビュー内容をテキスト化する方法は「読みやすさ」と「分解のしやすさ」の点からオススメです。
キーワードの定義
「キーワード」と聞いたとたん「記事作成は難しい」「分からない」と感じる人は多いはず。ここではそれをなるべく簡単に定義します。
キーワードとは、特定の悩みを持った顧客がパソコンやスマホでキーワード検索時に使用する言葉です。
つまり、悩みが言語化/顕在化できている(しつつある)顧客がその悩みを解決する手段として「キーワード検索」するときに使用する言葉、それをキーワードと言います。
記事の具体的な書き方は?記事作成の20ステップと構成案テンプレート
ここからは、具体的な記事の書き方の手順を20に分けて解説します。
気になるところからご覧ください。
- STEP1-4:記事の中心要素を集める4ステップ(15分)
- STEP5-7:キーワードを選ぶ3ステップ(45-60分)
- STEP8-12:質の高い記事を調査し、構成案の骨子を作る5ステップ(60-180分)
- STEP13-17:要素を整え、本文を作成する5ステップ(60~180分)
- STEP18-20:コンバージョンを設置する3ステップ(30分)
島津 共範
記事の中心要素を集める4ステップ(15分)
・可能であれば「マインドマップ」を作成し、悩みの関係性を把握しておく
→テーマの網羅性とサイトのぶれない方向性を確保する
ラフスケッチのつもりで、どんどん頭に浮かぶ「よくあるお客様の悩み」をリストアップします。
もしできるのであれば、お客様の悩みのカテゴライズがこの段階でできると、中長期的な記事作成のプロセスに一貫性を保つことができます。
キーワードを選ぶ3ステップ(45-60分)
キーワード調査は「3つの段階に分けて」徐々に理解を深めます。
・悩み相談サイト
・SNS(Twitter、Instagram、YouTube、各種音声メディア)の口コミ、コンテンツ
・雑誌、新聞
・専門誌
・実店舗や現場に足を運ぶ
・知人/家族への質問/アンケート
具体的なキーワードの選び方:月間検索ボリューム
具体的には「Googleキーワードプランナー」を使って、下記の条件を満たしたキーワードを選びます。狙いは、競合が少なく、結果を出しやすいキーワードを選ぶこと。
- 1000~100/月:ニッチ産業/商材や個人で初めて記事を作成する場合
- 1000~2999/月:ロングテールキーワードを選ぶ
- 1キーワードではなく、複数のキーワードを選ぶ
- 上位1ページ目に「大企業サイト」や「通販サイト」が少なく「個人ブログ」が多く掲載されている
「Googleキーワードプランナー」で選んだキーワードで、実際にGoogle検索してみて、今のGoogleが評価している記事(つまり悩みを持ったお客様が評価している記事)を確認します。
そして、上位1ページ目に「大企業サイト」や「通販サイト」が少なく、「個人ブログ」が多く掲載されているキーワードを見つけます。
競合が少ないところを見つけてポジショニングするのです。
質の高い記事を調査し、構成案の骨子を作る5ステップ(60-180分)
具体的に「質の高い記事」を調査し、構成案の骨子を作る方法はシンプルです。
・選んだキーワードでGoogle検索を行い、表示された上位30記事それぞれが、4つの検索意図のどれに分類されるか確認する
→「Know(知りたい)」「Do(やりたい)」「Go(行きたい)」「Buy(買いたい)」
・自分が制作する記事が「4つの検索意図」のどれに応えるものかを再確認する
・競合記事をピックアップする
競合記事を分析する。
分析項目
・タイトル:32文字の構成、キーワード、キャッチフレーズ、想定ターゲット仮説
・見出し:見出しを読むだけで記事概要が分かるか、使用しているキーワード
・構成:何を主要なコンテンツ(悩みに対する回答)としているか、外せない項目のリストアップ
・文字数:1000〜5000文字の中のどの程度の文字量か?
・画像(動画):何枚画像(動画)を使っているか、画像の内容
・図解:図による解説があるか、それは分かりやすいか、何を解説しているか
・独自情報:制作者の独自情報(一次情報)があるか、どのようなタイプの一次情報か
・納得感:読後の課題解決感。行動に移したくなるか、それはなぜか
・EAT(専門性、権威性、信頼性)要素の確認
→競合記事がEATをどのように担保しているか
・競合記事:「構成」で外せない項目をリストアップ
・悩み相談サイト、SNS検索:検索記事に反映されていない「お客様の悩み」を確認する
・フィールドワーク:現地、実店舗、雑誌、知人、専門家、図書館にて、リアルに「お客様の悩み」を浮かび上がらせる
・取材:現場に足を運び、オリジナルの1次情報、1次体験を得る。それをもとにすべての情報を包括する。
・競合記事の構成を参考にしながら、外せない項目の順序を決めていく
・EAT(専門性、権威性、信頼性)要素の確認
→自分の記事がEATをどのように担保できるか
・一次情報の追加:どのように「自分の立場だからこそ発信できる一次情報」を提供できるかを考え、行動する
→現地取材
→インタビュー
→経験から論理的見解を仮説だてる
・上記「構成の骨子」の適切な箇所に配置する
シンプルですが、とても地味で、しっかり時間がかかります。
そして、きちんと行うと、少しづず再現性を実感できる方法です。
構成案テンプレート
これまでの12ステップを行うと、下記の「構成案テンプレート」のような記事の骨子ができあがります。
構成案テンプレート
タイトル(キーワードを使う)
リード文(悩みと結論の要約)
コンバージョンボタン
目次
見出し①
結論①
理由①
具体的事例①
見出し②
結論②
理由②
具体的事例②
見出し③
結論③
理由③
具体的事例③
まとめ
コンバージョンボタン
お客さまの悩みを一つ選ぶ。
それに対応するよりベターな回答としての構成を作る。
①整理
②要約
③階層化
というのが記事構成の基本です。
「ライティングの質は、ライティング前の準備で7-8割決定している」よく言われるのは、ここまでのプロセスの内容が、記事の本質をほぼ決定するからです。記事作成を行っても成果が出ない、再現性がない、と言われる原因もここにあります。
「成果の質の7-8割を決定するライティング前段階」のプロセスがおざなりになったまま、いきなり文章を書き始めても成果は出にくいし、成果の再現性も低くなってしまいます。
要素を整え、本文を作成する5ステップ(60~180分)
まだここまでで、いわゆる「文章を書く」と言う作業は発生していません。
ここまでやってきたことは、記事を書くための素材集めです。
喫茶店に例えるなら「トマトソースパスタ」をメニューに加えるために、人気店の料理を食べに行き、流行を調査し、自分の店の強みを自覚し、レシピを準備し、調味料と食材を集めた、という段階です。これ以降のステップ13-17は調理の段階。文章にライブ感を閉じ込めるため、一気に作業します。
ここでやっと「ライティング(本文作成)」が行われます。
各見出しの順序を整え、足りない要素を加え終わったら、一気に本文作成を行います。他の作業は合間を見ながら隙間時間でもできないことはないのですが、ここは一定の時間を確保して一気に書き終えることをおすすめします。
記事を読んでくださる方々は、この時の書き手のテンションや温度感をしっかりと受け止めるからです。
たとえそれが言語化できなくても。
・記事の「課題と結論」端的にテキストにする
・これまで集めた材料で「見出し」を作る
・「見出し」を並べて、全体の流れを調整。順序の整理
・記事の「目次」を作り、リード文の直下に設置する
・リード文とは記事の導入部のテキストのこと。「悩み→結論」で構成する
・ここがいわゆる「記事作成」。集中できる時間を確保し、一気に書き切る
・結論として、記事の最後に置かれる文章を書く
・各記事のコンバージョンに自然とつながる内容にする
コンバージョンを設置する3ステップ(30分)
お客様のどの心理段階に対しての記事なのか?を再度確認し、適切なコンバージョンを記事に設置するプロセスです。
- 潜在層:課題の発見。情報の体系化。勉強期間
→コンバージョン:資料ダウンロード(無料)、資料請求(メールリスト)、サービス資料
- 検討層:課題解決策の比較。判断基準の確立。比較検討期間
→コンバージョン:メルマガ登録、事例集、料金表、ガイドブック、ノウハウ資料、チェックシート、レポート、カタログ、図面
- 顕在層:課題解決策の選択。決裁者による「予算/タイミング/優先順位」の決定。選択/行動期間
→コンバージョン:セミナー・イベント、お問い合わせ、オンライン相談、無料相談会、見積り、限定商品購入、商談、購入
・コンバージョンの基本的な設置場所は「リード文と目次の間」と「記事の終わり」
・「記事タイトル」と「見出し」に「キーワード」が入っているかを確認
→大切なキーワードは、なるべく「記事タイトル」と「見出し」の前半部部に配置
ここまでが記事作成の20ステップです。
記事の評価基準は?:独自の「記事作成内製化」3ステップ
記事作成で最も難しいのは「継続」です。一度だけなら「質の高い記事」を書くことは可能だからです。でも「質の高い記事」を2回以上定期的に継続して書くことは決して簡単ではありません。
独自の「記事作成内製化」3ステップ
- 量の段階(評価基準:更新頻度)
- 質の段階(評価基準:ページビュー数、セッション数)
- コンバージョンの段階(評価基準:コンバージョン数/率)
上記のステップを経て、自社独自の「内製化体制」を手探りで作っていくことが大切です。「量」の段階を実現しながら、「質の定義」をはっきりさせていきます。「量」と「質」の生産体制を自社内部で作ることができてから、次の目標として「コンバージョン数/率」を目指す、という段階的なアプローチです。
一度に3つのステップを満たそうとしないことで、着実に内製化を進めます。
もちろん
「成約単価→成約率→商談化率→コンバージョン率→ページビュー数」
という逆算で数値を出すことは可能です。
ですが、「集客力がないサイト」が短期的に数内達成しようとする場合」ページビュー数を得るためだけに「広告費用」を消費することになります。サイトに訪問したお客様はすぐに離脱します。
ですので、まずは
- 独自の「内製化体制」を確立すること
- 1~2年継続すること(を念頭に制作していくこと)
を目指す。それが結果的に、ブランディングと差別化につながります。
記事作成の効果は?:ユーザー数×セッション数×コンバージョン率=商談数
記事作成の効果を数値で把握するために、下記の式を使ってみましょう。
- ユーザー数×セッション数×コンバージョン率=商談数
例えば仮に「月に100クリックされる質の高い記事」を作成できたとします。すると、
①1記事で毎月100名の潜在顧客を集客→年に1,200名の潜在顧客を集客
②その潜在顧客に対して、ページ内で「コンバージョン」を提示する
ことができます。
さらに「同等の質の記事を再現性をもって制作」することができれば
・100クリックされる質の高い記事 × 10記事 = 1,000の潜在顧客(ユーザー数)/月
・100クリックされる質の高い記事 × 50記事 = 5,000の潜在顧客(ユーザー数)/月
・100クリックされる質の高い記事 × 100記事 = 10,000の潜在顧客(ユーザー数)/月
となります。
そして、1回のサイト訪問(1セッション)当たりのページビュー数を「1.2」と仮定すると、下記のページビュー数になります。
・1,000ユーザー × 1.2セッション = 1,200ページビュー数/月
・5,000ユーザー × 1.2セッション = 6,000ページビュー数/月
・10,000ユーザー × 1.2セッション = 12,000ページビュー数/月
仮に、記事のコンバージョン率を「0.5%(0.005)」とします。すると、下記の件数のコンバージョン獲得(各記事に設定する段階的コンバージョン)が可能になります。
・1,200ページビュー数/月 × 0.005 = 6件/月
・6,000ページビュー数/月 × 0.005 = 30件/月
・12,000ページビュー数/月 × 0.005 = 60件/月
※コンバージョン率は設定するコンバージョンにも依存します(資料ダウンロード、資料請求、お問い合わせ、見学予約、来店予約など、それぞれのコンバージョン率は難易度や、商材価格によって変わる)。
※記事のコンバージョン率が「1%(0.01)」であれば、上記の数値は2倍に、「0.1%(0.001)」であれば、上記の数値は1/5倍になります。
つまり
100クリックされる質の高い記事 × 100記事
がWebサイトに投稿されて初めて「60件/月のコンバージョン数」を確保できる計算です。
※コンバージョン数から先には「成約率」や「成約の平均単価」という営業の効果測定数値がありますが、ここでは「Webサイト内のコンバージョン数」までにとどめます。
ここまでを関係者が理解したうえで初めて、決裁者が判断されるのが賢明です。
「記事作成という事業に対する共通認識」を共有し、企業の記事(企業ブログ)作成を「工数がかさむ」とするか「継続する価値がある」とするか決定するのです。この前提がプロジェクトにあるかどうかで成功確率と再現性が大きく変わります。
どれくらいの期間で成果が出るか?最短で8本/月 × 6ヶ月 = 48本の質の高い記事
この質問のに応えるには「質 × 量 × 継続性」を前提とします。
最短で6ヶ月。一般的には1年~2年。
という言い方がコンテンツSEOではよく言われます。それは「下記のペースで記事作成を行うことができれば」という仮説からきていると個人的には考えています。
2本/週 × 4週 = 8本/月
8本/月 × 6ヶ月 = 48本
先ほどの式で言うと
①100クリックされる質の高い記事 ×50記事 = 5,000の見込み顧客(ユーザー数)/月
②5,000の見込み顧客 × 1.2セッション = 6,000ページビュー数/月
③6,000ページビュー数/月 × 0.005% = 30件のサイト内コンバージョン/月
というボーダーラインです。
そして「30件のサイト内コンバージョン/月」はそれぞれ段階的なコンバージョンであるため、成約に近いお客様の数はさらに絞られ、そこからの成約率によって成約実数はさらに少なくなります。
「サイト内コンバージョン数 × 成約率」で売上を予測する
売上と記事作成をつなげるための式が「サイト内コンバージョン数 × 成約率」です。これは言い換えると「サイト内で最も難易度の高いコンバージョン」と「営業担当者による対人営業における成約率」というオンライン×オフラインの式です。
1週間に2回「質の高い記事」を投稿し、6か月間続ける。営業の成約率を30%と仮定した場合、7ヶ月目以降、毎月定期的に「9件/月」の成約を生むことが可能になる、という仮説です。
期間:6か月
投稿頻度:週2回投稿
投稿本数:48本
記事内容:質が担保された記事(EATを満たす、4つの検索意図を満たす、2000~3000字+画像、図解、動画)
商談数(サイト内コンバージョン):30件/月
成約率:30%(仮)※商材金額、購入頻度、営業体制に依存する
成約数:9件/月
※「成約率」は商材価格や各組織の営業部門に依存する数値です。
※「商談数(サイト内コンバージョン)」と「成約率」の間を埋める施策が「インサイドセールス」です。この記事では割愛します。
記事のコストはどうやって計算する?長期計画で予算を回収
記事作成のコストは主に、制作と運用の作業工数です。
制作と運用の要素
- 調査/取材
- 記事の構成案作成
- 記事作成
- 記事公開
- 効果測定
- リライト
そして、ひと月の記事の制作本数が増えると、それに合わせてコストは倍化していきます。
長期計画で予算を回収していくのが妥当でしょう。
記事作成の長期計画
- 1年目:利益ゼロ(赤字)
- 2年目:利益ゼロ(プラスマイナスゼロ)
- 3年目:黒字化(記事作成の年予算分の利益)
記事作成の予算を年単位で設定します。
記事作成の工数のための大カテゴリ
- 企画立案
- ディレクション
- 記事作成
- 効果測定
- リライト
- 他のソーシャルメディアへの投稿によるポジティブネットワークの構築
- 決裁者への定期的報告
- 外部関係者とのリアルな関係性構築
上記項目で人件費を算出します。
そして、商材単価と目標販売数で目標売上を算出し、何年後に記事作成の費用をペイできるかを把握します。
数値化の要素
- ページビュー数
- 商談化数
- 商談化率
- 成約数
- 成約率
- 平均単価
Weサイトの効果測定は、主に上記項目によって数値化します。
※記事作成の目的が「成約」ではない場合(「採用力強化」や「お問い合わせ」「資料ダウンロード」「会員登録」)を指標として、それぞれの予算を設定し計算します。
記事のリライト:選出方法とタイミングは?
ある程度の記事が作成できたら集客力のある記事を対象にリライトを行います。
これは
・Google Analytics(グーグルアナリティクス)の
→集客>Search Console>ランディングページ>対象ページURLをクリック
・Google Search Console(グーグルサーチコンソール)の
→検索パフォーマンス>ページ>対象ページURLをクリック
で、対象ページがGoogle検索にて「上位表示しているキーワード」を確認し、リライトを進めます。
基本的には記事作成と同じ手順でリライトします。
※こちらも説明すると長くなるため、この記事では割愛します。
記事作成と運用を助ける環境・ツール21選
記事作成のプロセスを分解すると、単純な「作成作業」は一部であることが分かります。じつは「記事作成に至るまでの準備/調査」や「運用/管理」の手間も思うより多いくらいです。
ここでは、個人的に活用している環境とツールをご紹介します。
調査
- アイデア:ノート、メモ帳、メモアプリ
- 現場取材:現地調査、インタビュー、撮影
- 情報収集:友人、知人、家族、ネット検索自分の情報収集メディアの洗い出し
- 競合サイト:同テーマの記事の構成を参考にする
- 業界出版物:業界の方々だけが手にする出版物から「業界理解」を深める
- 図書館:ネットでは発見しきれない本、地方にしかない書籍と出会う
- 専門書:書店などで基本的な理解にずれがないかを確認
- 雑誌:収益を上げている紙媒体の情報の体系化や、顧客が欲しい情報を参考にする
記事作成
- メモ用紙:最初は白紙に構成やアイデアをまとめる人も。熱意は伝わりやすい
- miro:ホワイトボードツール。情報の体系化やブレスト会議に便利
- 音声文字変換ツール:取材中に感じたこと、考えたことを喋って、テキスト化
- 音声レコーダー:インタビューや取材の音声メモとして
- ポメラ:テキスト入力に特化。持ち運びしやすく、下記心地がいい小型パソコン
- ノートPC:移動時間を記事作成の空間に
画像加工
- スマホ:オリジナル画像の確保は気軽にスマホで
- CANVA:簡易に気の利いた画像加工ができるアプリ/サービス
- VSCO:画像加工アプリ。無料版もあり
運用/管理
- Googleスプレッドシート:進捗管理
- Googleドキュメント:記事作成
- Googleスライド:オリジナル画像・図解作成
- チャットツール:個人のチャットにふと浮かんだアイデアをメモ
記事作成の副次的効果
記事作成を継続すると、一時的効果である「集客」のほかに、下記のような副次的効果を得ることができます。
・潜在顧客~見込み顧客に対して、課題を教育できる
・自社サービスの言語化(営業トークの洗練)
・営業資料への転用
・ほかのメディア(SNS)のコンテンツとして2次利用できる
・メルマガへの転用
・分析すれば顧客が求めているテーマが分かる
・自社のスタッフへの教育効果
・コンテンツ制作スキルのストック(仕組みの資産化)
・独自性の担保
だからこそ「続ける体制」を準備することが大切です。
そして、今目の前にいるお客様の悩みに応える内容で記事を作り、様々なプラットフォームで発信し、接触頻度を増やす、という使い方が大切になってきます。
また、社内向けに作りモチベーションを高めたり、営業用資料としての側面も意識すれば、記事作成の枠を超えて「あらゆる場面で使用できる一次資料」とすることができます。
サービスの主体者(あなた)が持っていて、Web制作会社が持っていないもの
代理店やパートナー企業に記事作成を依頼するのも一つの手段です。そこで知っておきたいことが「サービスの主体者であるあなたが持っていて、Web会社が持っていないもの」についての理解です。
それは「情熱」です。
あなたが持つ情熱は「専門性」「権威性」「信頼性」に裏打ちされていて、
・知識
・探求心
・好奇心
・アイデア
・愛情
・想像力
・経験(成功事例、失敗事例)
・営業で活用される効果的なトーク
・お客様の具体的な質問と具体的な回答
・現場でいただく客様の声
へと繋がっていきます。
これらは書き手のモチベーションに直結しています。
数値化が難しい、にもかかわらずストック化が可能な、価値の根源に関わる「無形資産」。
「情熱のある書き手が記事をいかに継続投稿していくか」によってコンテンツマーケティングの成果は大きく変わってきます。
記事作成の現場の感覚から言うと、記事作成の質は「人材」「仕組み」「モチベーション」の課題と直結しています。
それは
・いかに熱意ある制作者を見つけるか(人材)
・いかに質の高い記事を定期的に書き続ける仕組みを作るか(仕組み、モチベーション)
という課題です。
SEOライティングは年々難易度を増している(ただし完璧を目指すのであれば)
ここまで長々と紹介してきましたが「SEOライティングは年々難易度を増している」というのが実感です。
その中で「お客様の悩みに応え」「Googleのアルゴリズムに応え」「継続して高品質の記事作成を行う」ことは、明らかにハードルが高いでしょう。
ただし、ここまで出揃ったあらゆる基準を完璧を目指すのであれば。
以下は私見です。
これからは2軸でとらえたほうが柔軟に対応できるように思います。
- これまで出揃った「教科書通りの指標」を目標にする戦略
- 組織内にいる「情熱を持った人材」に決裁権を譲渡した形でのコンテンツ戦略
「不可予言性」を企業に戦略的に導入することで「意外性」「ギャップ」「面白さ」を発生させる仕組みを少しずつ育てるのです。
VUCAの世界をしたたかに組織的に生き抜くために。
最後に。継続的な記事投稿は「記事の内製化戦略」に依存する
継続的な記事投稿(コンテンツマーケティング)は「記事の内製化戦略」に依存します。
それは基本的に決裁者の理解度と決意に依存します。
つまり、SEO記事制作の現実と、決裁者の理解度のギャップを最小限にし、効果的な運用体制を作っていくこと。
製作者の立場からすると「記事作成の全体像」と「具体的手順」が分かれば、不安も緩和されます。環境を整え、優先順位を上げれば、日々の隙間時間に記事の要素を積み上げていくこともできます。
この記事は、私がいつも「和歌プロジェクト」で、お世話になっているアートディレクターの遠藤朝恵さんにきっかけをいただき、作成が始まったものです。
また、記事を読みやすくするあたって、「和歌プロジェクト」の運用をしてくださっている大場安希子さんにも多くの有益なフィードバックをいただきました。
改めてお二人に感謝申し上げます。
私は約4年ほど前に別業種からWeb業界に所属し、記事を作る中で不安を感じることが多くありました。「日々、現場でコンテンツを制作している方々が感じておられるであろう矛盾や見通しの立たなさ、言語化できない不安感」を少しでも取り除くことができれば、という気持ちで書きました。
今日も記事制作に向き合う方々が、一人でも多く、成果に結びついた感覚を感じながら、言葉を組み立てることができますように。
そして、その思いが、あなたの課題解決策を求めているお客様に届きますように。