初対面のお客様との適切な会話テーマとは?
初めてお会いしたインスタントなお客様と何を話すのか?
もっと言うと、初めての店に足を踏み入れた「軽度の緊張と警戒心が発生している女性の心理負荷を取り除くお声がけ」とは、一体どういうものか?
キーワードは
- ローコンテクスト
- 非パーソナル領域
- 未来を現実的に補助する情報
つまり
- ローコンテクスト = 一般的に誰にでも通用する文脈
- 非パーソナル領域=個人的領域のテーマではなく、パブリックなテーマ
- 未来を現実的に補助する情報=単純に誰にでも役に立つリアルな地元情報
です。
具体的には
木戸に立ちかけせし衣食住
季節/道楽/ニュース/旅/知人/家族/健康/裏話or性(異性)/仕事/衣/食/住
- 季節:季節、気温、天気
- 道楽:趣味
- ニュース:最近のニュース
- 旅:
- 知人:
- 家族:
- 健康:
- 裏話or性(異性):
- 仕事:
- 衣:ファッション
- 食:食事
- 住:住居
を利用します。
上記テーマを常にストックしておき、お客様に合うものを経験と直感で選び、そこに現実的に役に立つ情報を加えて、お渡しする。
- 例1.
- 「歩いてあと〇〇分で〇〇(目的地)に着きますが、坂道がきつくなるので、今日みたいに暑い日は、途中の高いお店に入って休み休み進んだ方がいいかもしれないですね」
- 例2.
- 「今日も(は)外が暑くて大変ですね~。涼しくしてるので、少し休んでいってください。」
- 例3.
- 「あそこにベンチもあるので、ゆっくり休んでくださいね~。全然買っていただかなくて大丈夫ですので。」
など。
店舗の地理、観光客としての経験、お客様の心理傾向、店舗の利用方法などの情報格差を意識し、お一人お一人にカスタマイズした一次情報を提供します。
店舗の哲学を提示する第一声。そして挨拶リスト
第一声の内部配分は、以下の要素で構成されます。
- 推測:お客様のテンションや性格、状況を推測する
- 声のトーン:お客様心理に同調させるイメージで、声のトーンを作っていく
- 笑顔
- 好意:相手を好きになる
- 距離感:あたかもいつかどこかで出会った知人・友人という心理的距離感で接する
- 販売員圧力への自覚:お客様にとって販売員の目線は恐怖であることを自覚する
お客様のテンションや性格、状況を推測する
→お客様心理にフィットしない要素を洗い出し、自分の接客要素からそれを外していく
お客様心理に同調させるイメージで、声のトーンを作っていく
自分の感情の中で重心移動を行います。
笑顔
笑顔が接客の全ての前提になります。では笑顔の意味とはなんでしょうか?
笑顔の意味を以下のように定義します。
- 世界に対して好意的であることの表明
- 来場した方々の「ネガティブな気持ちにフォーカスしない」という意思表示
- 我々には価値観を見出しているものがあるという最初の姿勢
相手を好きになる
自分の中にある「相手への好意」にフォーカスします。
もう少し正確に言うと
- 「相手と自社商品の価値観が重なる場所の相手の存在エリア」に深い洞察と関心
を注ぎます。
あたかもいつかどこかで出会った知人・友人という心理的距離感で接する
いつかどこかで合った人、いつかどこかで合う予定の人、として接します。
それは、自分の中の距離感はそのまま相手に伝わります。
お客様にとって販売員の目線は恐怖であることを自覚する
販売員は、来店された方の目を正面から長時間直視してはいけません。圧迫感を届けてしまうからです。
断続的に、パッと見るにとどめます。
挨拶リスト
- 今日も(は)暑くて大変ですね~
- こんにちは
- やっぱり、外は暑いですか?
- 着物(浴衣)を、とても綺麗に着てらっしゃいますね!
- ○○のお帰りですか?
- これから○○ですか?
- 今日も(は)外が暑くて大変ですね~。涼しくしてるので、少し休んでいってください。
- 今日も(は)外が暑くて大変ですね~。
- 何も買っていただかなくて全然かまいませんので、ご覧になるだけ見ていってください
- 一個一個手作りで作っているアクセサリーなので、ご覧になるだけ見ていってください
- 何も買っていただかなくてかまいませんので、ゆっくり見ていってくださいね
- 今日も(は)暑くてタオルが離せないですね~
- すごいお荷物が沢山で、大変ですね!これから○○ですか?
- お客様、すごく綺麗なピアス/ネックレス(装身具や持ち物)を着けてらっしゃいますね。
- さらに質問:cf.「素材はガラスですか?」「すごくお似合いですね~」
- 立ち止まってくだされば、さらに膨らましていく
- すみません、実は最初から気になっていて、とてもかわいいので、つい声をかけてしまいました。すみません。全然、商品の話をしなくって。ありがとうございます。ごゆっくりごらんください!
- 今日のお洋服(お着物/浴衣)とぴったりで、とても素敵です!
- あそこにベンチもあるので、ゆっくり休んでくださいね~
販売員の発話要素。基本姿勢、内容、長さ、大きさ、速さ、感情的同調
販売員の発話スタイルは、基本「お客様とイコールになる分量と内容」を意識します。
- 基本姿勢:お客様一人ひとりの興味・関心事項に合わせる
- 話題の内容:木戸に立ちかけせし衣食住
- 季節/道楽/ニュース/旅/知人/家族/健康/裏話or性(異性)/仕事/衣/食/住
- 会話の長さ:表情から会話を終わりたいかどうかを判断する
- 声の大きさ:お客様の声の大きさに合わせる
- 発話の速さ:お客様の声の速さに合わせる
- 感情的同調:お客様の感情に合わせる
- 例)喜び・楽しさ・疲れ・うわの空・ただの付き添い等
話の閉じ方
じつは非常に大切な要素です。ここにも販売員スキルと哲学が現れる。
そして、準備していないと難しいところです。
話の閉じ方挨拶リスト
- 急にいっぱい話してしまってすみません!
- 奥が一番涼しくなってますので、ゆっくり休んでいってください。
- お連れ様もまだ、いろいろ見てくださっているので、ぜひ一緒に見てあげてください。
- 全部、手作りで作っていますので、店内をゆっくり見ていってください。
- 非購入者・付き添いのお客様
- 急にすみません!楽しくて、いっぱい話してしまいました。
- 一言サイズの会話の後・急いでいる方用・short ver.
- 職人さんが一つ一つ丁寧に作ってくれた/○○を使用して作った綺麗な、○○なので、ごゆっくりご覧ください。
- 長めの会話の後・しっかり関係ができた後・standerd ver.
- このお店、〇〇(地域名)でも珍しいお店で、20xx年から、〇〇(素材)を使って、〇〇人程の職人さんが、手作りで作った○○(商品カテゴリー)を置いているので、ごゆっくりご覧ください。
- +ありがとうございます(会話の最後に)
お客様の返答をそのままの言葉で繰り返すことの重要性
お客様が、やっと返答してくださった言葉をそのままの言葉で繰り返すことで、
- 言葉の繰り返し+感謝の感情=「話を聞いてくれているという信頼感」
を提供することができます。
- 例)
- お客様:「ここの○○、2つ持ってるんです」
- 販売員:「そうなんですね!(肯定)ここの○○、2つも持ってくださってるんですね!(反復)ありがとうございます!とてもうれしいです!(感謝の表明)」
- →肯定+反復+感謝の表明