貨幣を理解するために

貨幣を考えるために情報収集を始めました。
随時、触れた情報を要約していきます。


最初に株式会社COTEN 代表、深井龍之介さんが音声配信しているメディアから。
・a scope -リベラルアーツで世界を視る目が変わる-

社会システムデザイナーの武井浩三さんが登場した回の要約です。

Contents

資本主義の根本、「貨幣」を考えなおしてみよう(武井浩三さん編②)

私的所有権を突き詰めてシステム化したものが市場経済と資本主義

経済のバランス

 プライベート経済1/3
 共同所有の経済1/3(コモンズの経済)
 パブリック経済1/3(国が関与する)
そこから一人一人が選べばいい

1990年代。日本は新自由主義に舵を切る

小さい政府として運用を始める
人口が減る国は、パブリック領域を切り売りする必要が出てきで、民営化が進んできた

GDP

GDPは貨幣の単純な取引量
GDPとは貨幣の流通量のこと
GDPは貨幣経済の物差しでしかない

共同所有のイメージは?

所有者は誰もいないのがコモンズ
地球もそう

コミュニティーカンパニーの定義

1.議決権を34%以上持つ特定の個人がいない会社のこと
会社の所有権をパーセンテージという所有権で表現することが、パーセンテージの限界

2.時価総額を上げない
時価総額を一度上げると、市場主義のメカニズムに一気に組み込まれる

コミュニティーカンパニーのしくみ

事業に関わる人はみんな株主になるしくみ
目的はリターンを求めるではなく、それ自体が存在することでコモンズであり続けることを最優先する
時価総額を上げませんと言う
すると、金銭目的の株主は入ってこない
なぜ関わるかというと、共感・純粋な応援

報酬分配について

株価がなぜ上がるか?
株価は純資産を株価で割った金額
だから、純資産をコントロールすれば株価はコントロールできる

配当とはBSの純利益のあとに株主に返すこと

PLの時点で損金として関わってくれた株主に業務委託として払ってもいい
つまり、どのタイミングでお金を出すかで株の価値をコントロールできる

株式会社が時価総額をあが続けないといけない理由

株主からの要望に応えるため
株主はリスクマネーを投資する代わりにリターンを求める

地域コミュニティ

法的にも所有者がいない


武井浩三さんの経済の定義

貨幣経済はごく一部
 家族の中でご飯を作り、掃除したりすることも経済
 専業主婦の仕事を全てアウトソースすると1000万円/年
 ビジネス以外のことも全て経済である

すると、1/3である市場経済以外を扱うための組織プレイヤーが、法律上存在していない。見えない。
政治もそこを扱わない。本当はある。
そこの配分は本来1:1ぐらいであるべき
だが、今は0.000001:99.9999999みたいになっている
全てが市場経済が関わるビジネスになっているが、本来はそうじゃないよねという主張

市場経済のいい側面

知らない人同士で協業できること

市場経済の負の側面

相手がどうなろうと知ったこっちゃないこと
全て自己責任
参画している人が自己破産しようが関係ない
自分だけとにかく持ち金を増やしたい
顔の見えない経済だからドラスティックに行く
だから、上場企業ほどモラルハザードを起こす
誰が売って誰が買おうが関係ない
安い方に流れる
すると、大資本が勝つという単なるマネーゲームになる

お金とは

そもそも、お金は知らない人と取引をするためのツール
知らない人とやり取りするための信用を担保したしくみ
金融(ファイナンス)の語源は貸し借りの関係を終わらせる(フィニッシュさせる)こと
だから、貨幣を使えば使うほど人間関係が希薄化する
お金の本質は人間の労働力
よって、人間の数以上に経済は増えない

つまり、人口が増えていないのにGDPを上げようとすると、社会関係資本が毀損する

単純なシーソーゲーム
だから、もともとGDPの計算に入っていなかった部分を市場化することによって底上げするしかなくなる
顔の見える経済、関係性が人間のウェルビーングを高める

共有財産、共同体を増やしたい
貨幣経済ではない経済を取り戻したい

#09 デジタル技術は「お金の欠陥」を補えるのか?(武井浩三さん編③)

お金とは何か?

お金とは、現代国家の信用システムの上に乗っかった取引ツール
お金の信用を担保しているのが国家(政府)
お金をやり取りすることによって人間は何をやり取りしているのか?
 →労働力をやり取りしている
これから社会は、お金がなくなっていく方向に向かっていく
その核心の根底にはブロックチェーンがある

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとは、信用を無限に担保し続けるシステム
しかも、国家のような中央が存在しない
だから、誰も改ざんできない
そして、ブロックチェーンの上に乗っかっている人同士は信用が担保された状態で取引できる
つまり、貨幣がいらない
今後、ブロックチェーンで戸籍・不動産・投機・収入などが管理されるほど、貨幣の存在理由が弱まっていく

ブロックチェーンはなぜ革命的か?

それは情報革命ではなく、信用革命だから
戻らないフェーズに入った

DAO

ハッシュ関数の計算で貢献した人に対するリワードとしてビットコインを付与するしくみ
報酬はアルゴリズムで完璧に計算できない
物理的なプロジェクト、人間の感情など定量化しにくいものを扱う領域は絶対に残り、輪郭が際立っていく

ヴィタリク(イーサリアムを立ち上げたロシアのエンジニア)

貨幣取引がいらない信用担保システムを作り始めている
NFTを使って、学歴、キャリア、専門知識をNFT化して、自分が持っていることでしか意味を持たないトークンにしていくとそれが信用になっていく
そこから、どういうコミュニティに属しているかをトークンから割り出す
その人の信用スコアをブロックチェーン上で生み出す
信用スコアが改ざんできないものとして生まれていく

現在は、市場経済上で、貨幣として取引した量が資産として貯まっている

それが信用スコアとして機能している
つまり、稼いだ額が信用として機能している社会

だから例えば、住宅ローンの与信は勤め先企業の規模・売上・上場しているか
すると、住宅ローンをとってから退社するという行動を取る人が出てくる

本当の与信は、勤め先がどうこうではなく、その人自身が社会的にどんな活動ができるのかということ
個人事業主の方がサヴァイヴ能力が高い可能性ある

中期スパンでは、お金の交換行為にプラスして、ブロックチェーンを元にした信用スコア水準による購入が生まれてくる
さらにいくと、お金の交換行為なしで信用スコアのみで購入できる段階
総合的にいろいろなカタチでバランスよく信用スコアがついている状態になる
長期的には、交換経済を卒業する

これは人類の重要なミッションとして捉えている

交換経済がなぜ必要か?

交換経済を脱出するには、個人の努力じゃ無理
稼がないと自分もお金を持っていないところから来ている

ベーシックインカム

人類が加速度的に発展するには、ベーシックインカムを出すしかない
そうすると、儲かる儲からないではなく、本当に自分が必要と思うもの・好きなところに自分の労働力を惜しみなく注げる
クリエイティブが爆発する


ブロックチェーンを使ったデジタル法定通貨を発行できるようにして、そこでベーシックインカムを出す
すると、人類は最短でその状態に到達する

法定通貨で社会保障を出すとしたら、財源はどうするか?

そもそも、貨幣とは何か?
貨幣は政府が発行しているだけのもの
現代社会では(先進国ほとんど)、中央銀行制度が一般的
なぜか、中央銀行からお金を借りてお金を発行している
政府の言い訳としては、政府が勝手に発行できたら危ないじゃないか

日本の場合、年間10兆円の国債の金利を払っている

これがどこに行っているかというと
中央銀行は実は民間銀行であり、株式会社である
中央銀行の株式の45%は金融資本が持っている
 アメリカのFRBは100%民間
そこから吸い上げる人たちは、金融資本家と呼ばれる国を跨いでいる方々
つまり、貨幣による労働力の支配構造である
武力ではなく、貨幣で人を支配するしくみ

債務貨幣論

日本円で1400兆円の貨幣が存在している
99.5%が借金で生まれてくる
 半分が国の政府の国債
 半分が民間の住宅ローン・企業の借り入れ
借り入れは、金利がつくので増やして返さないといけない
つまり、借金が増えないとお金が増えない
他の誰かの借金によってお金が増えて、それが返すという雪だるま方式
経済を膨張させ続けないと機能しない貨幣システム

先進国のほぼすべてが、この債務貨幣システムというしくみを使っている
これは、資本主義とまったく同じ力学
資本主義がなぜ成長を要求するかというと、お金を使っているから
増やさないと返せない

人口が減り始めた日本はつじつまが合わないことが多く出てきた
 不祥事
 労働者の搾取
 環境に対する不当な支払い
そもそもマーケットが拡大してなかったら、増やすことができない
つまり、定常経済、安定経済、循環経済に持っていけない
環境問題と労働者のウェルビーングは、今の貨幣システムの上に乗っかっていると絶対に解決できない。ロジックとして

新しい法定通貨が必要

それがデジタル通貨

お金と税金という概念

お金という概念を生み出し、発行しているのは政府
経済という概念、貨幣経済を生み出しているのが政府
最初に、政府支出と言って、お金を公共事業に流す
あとの保証として渡す
民間の中にお金が流れる
民間に流通するお金の量が増えすぎると、インフレになり、貨幣価値が下がる
だから、お金を消すというのが税金の役割

お金を消すというのが税金の役割

税金はお金を消している。吸い上げている
そして、新たに予算をつけて、また出している
先にお金を生み出すところから始まっているのを忘れている

今の国家のコンフリクトとは?

経済活動がグローバル化し、富裕層と大企業がタックスヘイブン(租税回避地)してしまっていること
本当は、そこから吸って流通量を減らさないといけない
それを回収する前に外に出ていってしまう

そもそも、税金の役割は、お金を消すこと
そこから詰めないと本来的に意味がないのに、それができなくなっている
タックスヘイブンによりお金が流動的になりすぎた

だから、政府はしょうがなく取りっぱぐれのないところから課税をたくさんとるしくみを作った
そうすると、逆進性の高い課税(消費税、固定資産税、所得税)が、収入が低い人の負担割合が大きくなる
そのように課税がよってしまっていることが、国家のコンフリクト

ベーシックインカムをデジタル通貨で出すということは

デジタル通貨、マイナンバーカードにより、トレーサビリティを担保し、完全な循環を起こしやすくする
借金でお金を作って渡すのではなく、政府が純資産としてただただこれがお金です、と言って渡す
それだけでお金は生まれる

純資産として生み出されたお金は、国は発行しようと思えば、いくらでもできる
発行しすぎるとインフレが起こるので、調整が必要
でも、借金ではないから吸い合げられない

法定通貨が国外流れるとはどういうことか?

国内の労働力を海外に持たれてしまうということ
純資産としてデジタル通貨を発行する

Programableマネー

自由自在に設定できる
 ベーシックインカムで、デジタル通貨で、日本円で渡す
 本当に生活に必要な実体経済の中でしか使えないという用途制限ができる
  パチンコ屋では使えない
  タバコは買えない
  株式は買えない、など

腐るお金

法定通貨が電子化すると、どのくらいの期間で消すかを決められる
 例:1年で100万円渡したら、50万円に消える
 税金と一緒になる
 政府がプログラムで回収していくと、税金というしくみ自体がなくなる
税金として吸い上げるのは、もともとインフレ対策だった
だが、電子化した法定通貨は、ある程度用途をコントロールできる
また、発行のときも、誰かからお金を借りるというカタチではなく、プログラム的に発行することができる
テクノロジー的には実装可能

進化の方向性

資本家を倒すのではない
お金の意味が相対的に弱くなっていくこと
お金を持っていても持っていなくても、あまり変わらないという状況にしてしまうこと

お金は存在するが、あまり意味はない社会を経る
あと30年以内

お金の意味がなくなること
資本家が持っているお金の価値が既存すること
労働力が集めづらくなる
しばらくコンフリクトが続く

国家という概念にとっての通貨発行権

通貨発行権は大きな権力
テクノロジーだけの話ではない
社会システム上でどのように滑らかに移行できるか、という問い

贈与の量で信用力を測れるすごい仕組み(武井浩三さん編④)

ポスト資本主義の実践。2方向のアプローチ

国家という枠組みの中から広げていく力
 国家の仕組みの内部で進めるプロジェクト

国家という枠組みの外から向かってくる力
 ブロックチェーン
  イーサリアム

食料難民にベーシックインカムで支援を出すプラットフォームがもうできている
ひとりひとりが助けたいと思う人が集まれば
互助の仕組みがブロックチェーンとイーサリアムという暗号資産によって、実体経済でも使える社会保障になっていく
そのあとで、世界カ国がやらないといけないという論調になっていくだろう
 エルサルバドル
 中央アフリカ共和国
  ビットコインが法定通貨になった

エルサルバドルはなぜ法定通貨をビットコインにしたか?

それまで流通していた通貨がドルだった
そうすると、自国の経済を自分たちでコントロールできない
財政支出もコントロールできない
アメリカに経済支配され続けるのであれば、ビットコインの方が信用力が高い

未来の社会は複数の貨幣がある

複数の貨幣があることが、今の資本主義のみという状況を、をオルタナティブな状態に変化させることになる
現状は、ドル支配による中央主権的な貨幣の作り方がされている
複数の貨幣が出てくると、お金と権利がどんどんトークン化されていく
それが、一つのウオレットの中に入っていく
資産・信用・個人のスキル・知識がNFT化。トークン化して持っていることで、それで支払うことができる

価値はどこから生まれるか?

相対評価
しばらくレピュテーション経済のような状態になる
民主主義的な感じになる
 信頼されている人からの信頼
 この人のために働きたいという人がたくさんいる人
  それが財力になる
究極的には、お金をどういうふうに使う人かと思われているかによってお金の集まり方が変わる

情報のプライバシーはエストニアが進んでいる

病院のカルテを国が管理している
どの病院に行っても同じカルテを参照できる
ただ、それには個人が承認しないといけない
個人のパーミッションシステムが出来上がっている

ログミーbiz 武井浩三氏×麻生要一氏『自然経営』地元対談型読書会

真っ当な会社ほど、なぜか損をする理由「いい会社づくり」の前に立ちふさがる壁
武井浩三氏×麻生要一氏『自然経営』地元対談型読書会 #2/7

今までの「成果を出すための、管理するマネジメント」ではない世界中のいろんな会社を知り始めた
リカルド・セムラーの『奇跡の経営』

アメリカだと
WLゴア&アソシエイツ
ホールフーズ・マーケット
ザ・モーニング・スター・カンパニー(トマトの加工会社)

日本だと
伊那食品工業
メガネ21(メガネ・トゥーワン)
未来工業

ダイヤモンドメディアという会社を立ち上げる

当初から給料を全部オープンにして自分たちで話し合って決めたり
働く時間や場所や休みは自由で
経費も全部オープンで
社長・役員を毎年選挙して決める
というわけのわからないことをやり続けた

やっていけばやっていくほど法律が邪魔をしてくる

今の社会システムは、個人や会社を利己的な方向に向かわせる
つまり、社長が会社を私物化すればするほど、節税対策ができる構図になっている
真っ当にやればやるほど、税金を全部きれいに払わないといけない
いい会社を増やすには、その枠組み自体をいい枠組みに変えないといけない

給料をどうやって決めるか

そもそも労働というものは、資本家と労働者の対立構造の中で法律が生まれている
労働基準法は80年前に作られた法律
その元となる法律が工場法
 工場で働く労働者の待遇があまりにも悪すぎた
  だから、彼らを守るために作られた法律
   関係性がどんどん近くなってくればくるほど、今の法律は合わなくなってくる

給与は、労働者に対してどうやって彼らの労働を評価するか

以下の3つで形成される
 労働時間
 職務
 職能

会社には所有者と経営者と労働者がいる

会社には所有者と経営者と労働者がいる
所有者の株主と労働者って、本来は完全にゼロサムの関係にある
労働者の給与が上げると、株主の利益が下がる。純利益が下がる
株主の取り分を増やすと、労働者の取り分が減る
この間で「まあまあまあ」とうまいことやっているのが、経営者という役割
本来は「どうやったらみんなで同じ方向によく進めていけるのか」と取り組むべき
 しかし、やっぱりここで分断が起きている

株式市場の変な構造

株式市場でも上場企業だと、出資している株主はインサイダーの取引を規制するという法律がある
よって、所有者なのに中の情報にアクセスできない
 一般投資家を保護するという投資家保護の法則みたいなものがある
情報にアクセスできないから、分断が生まれる
分断が生まれたら、やっぱり他人事になっちゃう

大企業では「優秀な人ほど辞める」という構図

例えば労働者という前提があるから、
 今の給与制度はPL(損益計算書)に基づいて設計されている
 BS(貸借対照表)に責任を持つのが経営者
4象限で言うと「緊急ではないけれども重要」をやっている人ほど、あまり評価をされなくなる
会社のマネジメントの仕組みやビジネスモデルを作るような、BSにすごく影響を与える活動をしている人、ほど辞めてしまう
50代・60代の定年が見えている人たち
 変化の必要性を感じていたとしても、やっぱり「自分が終わるまではどうにか逃げ切りたい」的な力学が働く
30代・40代の方々
 当事者として危機意識が高い
どうやったら、その職種が社会に価値を提供する上で最もいいのかを考える

合理性・効率性・一人ひとりの満足度・働きやすさも重要
  「合理性と人間性の融合」。両立ではなくて、融合
  両立させると、それぞれで話し合う時間を取らないといけない
   両立ではマネジメントコストが2倍かかるとわかった
 融合させて1つのものとして扱うことをよくやっていた

信用金庫と信用組合は非営利組織

銀行は株式会社
信用金庫・信用組合は非営利

それはなぜか
「友達の中での積み立て」という仕組みが、けっこう世界中に昔からある
  沖縄では模合(もあい)、(本土では)講(こう)とか呼ばれている
 友達同士でお金を積み立てて誰かの結婚式のときにそこから出すとか
 それが大きくなったのが信用金庫や信用組合
  だから、株式会社とは意味がぜんぜん違う
   地域金融は人間関係で貸す
   「みんなで助け合おうよ」ということ

ブロックチェーン・仮想通貨

おもしろいのが、ブロックチェーンを扱っている人たちは、国家という概念をどうにか弱めていこうとしている
「ピアツーピア※」のほうが、信用度が高いよね」ということが、仕組み的にも証明されてしまっている
※機器間がネットワーク上で接続・通信する方式の1つ。機能に差異がない端末同士が、対等な関係で直に接続して、互いの持つデータや機能を利用し合う方式

ノーマルな経済のあり方は、成長ではなく「定常」持続可能性への世界的潮流

3つの問題が同時に生じている国は世界でも日本ぐらい

人口減少
少子化
高齢化

フレデリック・ラルーさん(「ティール組織」の著者)が言っている
働く時間・場所が自由な会社が、世界的にもちらほら出てきている
その会社の特徴をまとめると、この3つぐらいで説明できそう

3つというのは
全体性:全人格性
自主経営:そもそも現場が決定権を持っている。現場に意思決定させればいい
進化する目的:そもそも理念を明文化しない。補助線として言語化するかしないかという話。本来は仕事自体が理念そのもの。そこにフォーカスすることが本質

トマ・ピケティ(21世紀の資本の著者)

資本主義というのは格差、とりわけ所得・収入・資産の格差が広がっていく経済システムだということを、数字的に証明した
資本主義の中での成功者の定義は、資本家になった人のこと
GDPは人口とほぼ正比例する
人口が増えていたら経済は伸びるという、すごくシンプルな話


その中で、資本主義は所有者が強い経済システム
世界の大金持ちは株主か地主のどっちか
 強いて言うなら、スポーツのスーパースター、ミュージシャン

世界が今、どっちの方向に向かっているのか

持続可能社会
持続可能性は成長よりも優先されるもの
これが世界中の合い言葉になってきた
これまでの傾向としては、成長が大事だと思われがち
内面ではなく、規模的な成長の話

そもそも、経済がこんなにバカみたいに成長したのはこの50年ぐらい
人類の発展もこの200年ぐらい
今までが普通じゃなかった

持続可能性は、どうやったら生まれるのか

以下の3つがあると、勝手に持続可能になる
 自律分散という「かたち」
 循環している「流れ」
 分散している者同士がつながっているというConnectedな「状態」

持続可能性は
 結果として生まれる現象
 短期的に切り取ってもわからない
  よって、時間軸の中で測らないといけない

どうやったらその流れが生まれるのかと言うと
自律分散・循環・つながり

自律分散の反対は、中央集権(ヒエラルキー)
循環の反対は、搾取。1箇所で奪っちゃう
つながりの反対は、分断

情報公開なき「フラットな組織」はあり得ないティール的マネジメントを実践する企業の8つの共通点

会社における権力の正体は、人事権と決裁権

会社の中での権力・権限には人事権と決裁権というものがある
だいたい人とお金のところに紐付いてくる
だから重要なのは
これを誰かが持っている状態を手放して
「みんなのもの」にすること
 Wikipediaのようにコモンズ(共同で所有し管理する土地)みたいな感じで

ティール組織・分散型のマネジメントとは

人事権とか決裁権を「誰かが決める」のではなくて「みんなの間に置いておく」こと
この給与・報酬の自己関与
「自分で給与を決めること」が重要なわけじゃなく
「決まるプロセスに自分が関われる」ということが重要
自分で「関わらない」と決めたら、それもまた自由
そこに「主体として関与する」ということがすごく重要
そうすると満足度・納得度が変わる
人の価値を定量的に判断するのは不可能
給与ってぜんぜん完璧なものじゃない
だけど今の社会だと、お金に換算してやらないとどうにもできない
よって、最後は「えいや!」なんですね

個人の意識レベルの段階を、組織に当てはめたのがティール

ティール組織のメタファー
 原始的なところ(オオカミの群れ)
 軍隊
 機械
 家族
 生命体
組織に意識レベルを当てはめたのが、ティール
組織にもこういう意識レベルのようなものが存在すると当てはめた

自然経営の3つの条件

自然経営とは
・どうやったら自律分散しつつも
・統合されている状態にできるか

というもの
一見すると2項対立に見えがちなものを、同時に内包するという状態
それをかたちとして実現させるのが
 情報の透明性
 力の流動性
 境目の出入りを自由にする開放性

何に例えて組織を語るか

機械的な組織
 プラモデル。パーツ。役割に人を当て込む
 だから、その人が機能しなかったら入れ替える
生命的な組織
 組織、集合体を子育てのように捉える
だって、親は子どもの将来の職業を決められない

何が好きかわからなくて、いろんな習い事をやっていく中で
 あれはどうだった?
 楽しかった?
 ○○ちゃん、それは楽しかった?
 じゃあやってみたら?
 やめてもいいんじゃない?
 もうちょっとがんばってみたら?
そういうことを繰り返します
そうすることが、親が唯一できることだと思っています

未来を予測することをがんばるよりも、不確実な中でどうやって居続けるかに力を寄せたほうが合理的

組織形態はヒエラルキーから、家族的で理念を大事にするグリーン組織になる
いろんな仕事をしていますし、重なり合っている人
組織を個人が超えちゃってる
組織の中の個人じゃなくて、個人がいていろんな組織がある
ヒエラルキー的な搾取構造の社会システムや資本主義というものたちの「負の側面」が問題になっている
むしろそっちの負の側面を解消しないと、本当に俺らは地球に住んでいられなくなるんじゃないかという危機感が今、生まれてきている。

知識を入れる教育自体の意味が、だんだんなくなってきている

「覚えていること」に意味がない
必要なのは、知識を何に使うか
どこまでを自分事として捉えるかという認識の拡大
そっちの方向に営む教育が、これからは必要になる
モンテッソーリ、シュタイナー、サドベリーなどのオルタナティブ教育
これらが本当の教育

これから世界を良くするのは「GDPを下げる政策」資本主義の呪縛を解くための道筋

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