百人一首の外国語翻訳4. 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ:山辺赤人


原文

田子の浦に
うち出でてみれば
白妙の
富士の高嶺に
雪は降りつつ

古語の意味

【田子(たご)の浦に】
田子の浦:駿河国(現在の静岡県)の海岸
に:作者の立っている場所を示す格助詞

【うち出(い)でてみれば】
うち:動詞の前につく接頭語。言葉の調子を整える
みれ:動詞「見る」の已然形
ば:接続助詞:已然形から続くと確定条件を表します。
出でてみる:出る+見る、という2つの動作を表したもの。「浦に出て眺めてみると」という意味

【白妙(しろたへ)の】
白妙:コウゾ類の木の皮の繊維で織った純白の布のこと
富士に掛かる枕詞

【富士の高嶺に】
「富士山の高い嶺(みね)」のこと

【雪は降りつつ】
つつ:反復・継続の接続助詞。時間の継続の意味

現代日本語翻訳:案

a.私は海岸に出て、仰ぎ見た。
すると、真白の富士山の高い嶺に雪が降り続いていた。

現代日本語翻訳:推敲

私は海岸に出て、富士山を見た。
真白の嶺に雪が降り続いていた。

英語翻訳

I walk out to the beach and see Mt. Fuji.
The snow has been falling on the pure white ridge.

フランス語翻訳

Je vais à la plage et je vois le Mont Fuji.
La neige est tombée sur la crête d’un blanc pur.

スペイン語翻訳

Fui a la playa y miré hacia arriba.
Entonces estaba nevando al pie del monte Fuji.