今日は、コロンビアのコーヒー豆で焙煎をしました。
そこで、
いつも一人でやってきた手焙煎のプロセスを
感覚的に解説してみます。
家庭内焙煎は掃除からはじまる
ネットで購入した生豆の袋を、
部屋の片隅から取り出し、
150g計ります。
そして、
ガスコンロの周りをきれいに掃除します。
コーヒー豆の焙煎は、
15~20分のあいだ、匂いがたくさん生まれます。
同時に、外側のうすい皮がつぎつぎとはがれて、
1m半径に広がっていくのです。
ガスコンロの周りを拭き掃除します。
コンロの台を外して洗います。
うすい皮が飛んでいかないように、
すべての調理道具を遠くに移動します。
0:00- 焙煎の始まり
腕時計とメモ用紙と鉛筆を準備して、
火力をほぼ最大にします。
メモ用紙には
火力 5
距離 20cm
時間 0:00-
と書いています。
(距離は、火からの距離です)
5:00- 豆が色づきはじめる
豆のなかの水分がほどけていく感覚。
すこしだけ、軽くなったように感じます。
青い香りが終わり、
コーヒーの入り口の香りがはじまります。
10:00- ハゼる前の準備
コーヒーは2度鳴ります。
1度目は「1ハゼ」といい
2度目は「2ハゼ」といいます。
今回購入したコロンビアのコーヒー豆は
いろいろ試した結果、
どちらかというと、酸味より苦みの方がよかった。
というわけで、
2ハゼの入り口で焙煎を終了するプランを描きます。
豆の中央の水分がすべて抜けるイメージをもって
コンロの火力を豆全体に当てていきます。
(ここでうまく水分が抜けないと、「えぐみ」として味にあらわれます)
11:00- 1ハゼがはじまる
1ハゼは11:00にはじまりました。
バチバチ バチ バチ バチバチバチ
という音と一緒に、
コーヒーの香りが部屋を占領します。
そして、13:30で終了。
そこから2ハゼの準備時間となります。
ここであせって、火に近づけると
あっという間に焦げてしまいます。
辛抱強く、確実にすべての豆に均等に熱を与えます。
16:30- 2ハゼがあらわれる
2ハゼの音は、1ハゼよりも小さく高い音。
今回は、2ハゼがはじまり、20秒ほどで火から外し、
焙煎を終えました。
メモ用紙には、
火力 5
距離 20cm
時間 0:00-
1ハゼ 11:00-13:00
2ハゼ 16:30-16:50
と書き残されました。
(このメモ用紙をもとに、1~2日後のテイスティングのときに、焙煎の評価をします)
最後は掃除
家庭内焙煎にとって、
掃除はとても大切です。
焙煎前よりもキッチンをきれいにします。
妻の協力と
子どもたちの理解を得たうえで
家庭内焙煎は成り立ちます。
そして、翌日の朝。
妻には淹れたてのコーヒーを、
子どもたちにはミルク多めのカフェオレを
提供することを忘れてはいけません。
コーヒー豆の焙煎は、
協力者への感謝を示すことで
製造サイクルを閉じるから。
手焙煎のよいところ
コーヒー喫茶では
100~200万円くらいの立派な焙煎機が、
あるいは50万円前後の小型焙煎機が使われています。
もしかしたら、
自家製の焙煎機や、
5万円くらいのサンプルロースター(ドラム式の小型焙煎機)を
を使っているかもしれません。
でも、
この手焙煎機を使って
よい焙煎ができたら最高だな、
と個人的には思います。
頼るものは、自分の感覚だけ。
火力とその距離のあいだで、
豆を最高の状態にもっていく。
自分の感覚だけで一つのことを完結できること。
良いも悪いも自分起源で生まれることの潔さ。
火 ー コーヒー豆 ー 自分
この中で15分程度で生まれる香りと味。
原因と結果という世界の原則。
シンプルで説得的な作業が、ぼくは今も好きなのです。