「昔は喫茶店がすごく流行ってね。朝はみんな、仕事に行く前に喫茶店で朝ごはんを食べていっていたね。」
ぼくは厚い卵焼きが挟んであるサンドイッチを食べながら、店主さんの話を聞きます。
「へ~。忙しかったんですね」
「それでもコーヒーはサイフォンを2つ使って淹れてね。時間はかかるけど、それで怒られたことはありませんでした」
「そんな時代があったんです」
住吉大社を巡ったあと、ぼくはすぐ近くにあるオレンジ色の屋根の喫茶店にはいり、49年目を迎える喫茶店で休んでいました。
「フランス旅行にも行きましたよ。」
「フランスの喫茶店にも行ったんですか?」
「ええ。でも思ったほどおいしくなかったですね。日本の方がおいしいなと思いました」
「最近はスマホで見て来る外国の方も多くてね。英語でこの店のことも出るみたいですね」
テレビの画面では順番に力士が現れ、相撲をとっています。
阪堺電気軌道の踏み切りが鳴っています。