ドイツ系ユダヤ人哲学者、社会学者のゲオルク・ジンメル(1858 – 1918)。
以下は、ゲオルク・ジンメルが1900年に刊行した「貨幣の哲学」から欲望についてを要約したものを土台とし、個人の思考を整理したメモ。
欲望の性質
人があるものを欲しがる理由
人があるものを欲しがるのは、それがカンタンに手に入らないから。
欲望の性質
・それは、絶えず以下の対象へ向かう
→手に入りにくいものへ
→非日常的なものへ
→珍しいものへ
つまり、欲望は絶えず「フロンティア」を求める性質を所有している
欲望は、社会でどのように振る舞うか
1. 対文化
→外部の異質な文明・文化へ向かう
2. 対他者
→他人が持っていないものへ向かう
→利便性:便利で
→新規性:新しく
→希少性:珍しく
→体積:より大きいもの、より小さいもの
→数量:より多いもの、より少ないもの
→容積:より軽いもの、より重いもの
3. 対自己
→対象が自分自身になる
→自分探しが始まる
現在の欲望のステータス
・価値の座標軸が不定である
・よって、価値が空間に宙吊りなっている
・結果、「価値-欲望」の測定・比較・検証が難しい
欲望を持つ人間の心の動き
つまり、人間は
・自分がそれを選択した意味を、自分自身に確証する方法がない
→「意味-価値」の自己内定義ができない
→「手に入れたものに対する仮説検証」ができない
→「自分-社会」の相対化活動が不全となる
→生の自己定義ができない
上記のステータスのままで
・「既存の欲望認知の形態」を踏襲し
・「形態不明な欲望」を埋める行為を行ない続けている
また、欲望はその性質を保持しているため
・「フロンティア」を求め続け
・「価値不定の空間」を漂流し続ける
自分の概念で自分にとっての豊かさを定義するために
以下は、個人的な思考メモ。
自分の概念で自分にとっての豊かさを定義するためには、かつて欲望が「対文化-対他者-対自己」の順序で、個人化した順序とは、逆の順序をたどることになる。
つまり、「対自己」の内部で、自分にとっての本当の豊かさとは何か?を問い、自分と継続的な対話を行うこと。
おそらく、そこでは
・労働(labor)
・仕事(work)
・活動(action)
の再定義や、
・産業資本経済()
・市場経済()
・商品経済()
・貨幣(原則、すべてのものを交換可能にするもの)
・商品(人間の生活の物質的基礎)
・政治(人間の生活の精神的基礎)
・宗教(人間の生活の精神的基礎)
の再認識が土台となる。
そして、
・個々が「世界の概念の再構築」を行いながら
・「仕事(work)」の行動質量を、「活動(action)」と相対化させながら
・「活動(action)」の行動質量に意味と価値を付置していくこと
が主な行為となる。